「磁気反転式ディスプレイ」という言葉をご存じですか?
野球のスコアボードなどに多く利用されているもので、この言葉をご存じない方でもテレビなどで映像をご覧になったことはあるはずです。
この磁気反転式ディスプレイが、いまデジタルサイネージとして注目されています。
磁気反転式ディスプレイってどんなもの?
磁気反転式ディスプレイは、表と裏を別の色に塗り分けた磁気反転式ボードに動作する瞬間にだけ電力を流し、その他の時間には磁力によってボードの状態を維持させるというものです。
野球をはじめさまざまなスポーツのスコアボードなどに利用されることが多く、その場合は、「7セグメントディスプレイ」と呼ばれることが多いです。
7セグメントディスプレイとはすべての数字の字体を7つのパーツに分割し、各パーツのオン(表)とオフ(裏)ですべての数字を表示できるるようにした表示素子です。
ぱちぱちと切り替わる数字の映像は、おそらく多くの方が一度はご覧になったことがあるでしょう。
「発光体ではないので暗いところでは見ることができない」「数字ではない文字などの表記は難しい」などといったデメリットはありますが、消費電力が少なく遠くからも見やすいというメリットがあります。
デジタルサイネージの世界へ
磁気反転式ディスプレイはかなり以前から利用されていましたが、近年ではデジタルサイネージと融合し新しいサイネージのかたちとして活用されはじめています。
7セグメントに限らず、単純にオンとオフの切り替えが可能な何千枚ものパネルを敷き詰め、電磁力によって1秒あたり30フレームの速度で反転させるという挙動を取らせます。
一般的なアニメーションが1秒間に24フレームですから、一般的なアニメーションと比べても遜色のない動きを見せることができるというわけです。
デジタルサイネージとしては、これをインタラクティブに動かすことも可能です。
たとえばユーザーが目の前に立ったときにその動きをカメラから取得し、それをトレースして動かすということも可能です。
磁気反転式ディスプレイには単純な映像にはない「モノ」としての質量が存在します。
その質量がデジタルに管理され、インタラクティブな動きを見せるというのはひとつのエンタテインメントとして成立しうるだけのクオリティを持っています。
低価格化も始まった!
また重要なポイントとして、以前は物理的な質量を持つがゆえに運用するためのハードやソフトにもそれなりのコストやノウハウが必要とされていたものが、パッケージ化の技術が確立されたことで、さほどコストをかけずまた特別な知識を持たなくても運用が可能になりました。
古くから使われてきた磁気反転式ディスプレイは新たな技術と出会い、これまでには考えられなかった使われ方をしはじめました。
運用方法が確立され、低コスト化が考えられるようになったため、今後はますます新しいフィールドで活用されていくことでしょう。
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