デジタルサイネージは、あらかじめインプットした画像などのデータをただ表示するものだと思っていませんか?
デジタルサイネージにはさまざまなタイプがあり、クラウド型デジタルサイネージという状況にそって表示を変えるものもあります。
今回は新宿駅で行われたクラウド型デジタルサイネージの実験と、今後の活用方法について紹介します。
クラウド型デジタルサイネージの実験の概要
今回の実験は小田急エージェンシーと電算システムにより2018年2月19日~3月18日に新宿駅西口で行われました。
設置されたデジタルディスプレイは、クラウド型デジタルサイネージの技術を活用して天候や場所によって表示内容が切り替わります。
具体的には、ディスプレイのついたデジタルピラー内部に再生用アプライアンスを設置し、クラウドから受け取った情報に基づいて各コンテンツを再生するのです。
また、実験では広告や天気などの情報のほかに、YouTubeの再生実験も行われました。
今後の実験予定
小田急エージェンシーはデータドリブン型広告の採用を目指しています。
今後、通行人の年齢や性別を把握することにより、広告の受け手に合わせた配信、いわゆるオーディエンスターゲティング配信の実験を行うことを見据えています。
今後の展望
今回の実験では、クラウド型デジタルサイネージを活用することで、パブリック空間においてデジタルディスプレイは同じ情報を流し続けるのではなく、
その場に必要とされている情報や受け手にとって最適な広告を適確に流すことが可能であることが示されました。
今後、時間帯、場所、天候、利用者属性などさまざまなデータを収集することにより、利用者が関心を持つようなコンテンツをその場で選別して再生することができるようになるでしょう。
このことは関心を持てるコンテンツを求める利用者にとっても、利用者の注目を惹くことを求める広告主にとってもメリットだといえます。
クラウド型デジタルサイネージを用いたデータドリブン型の広告は、利用者と広告の間に双方向性を生み出すことにより、パブリック空間における広告というものの
概念を根本から変えていく可能性を秘めています。
クラウド型デジタルサイネージが活用される未来には従来型の万人に向けた広告は姿を消し、個人に最適化された広告が中心になっていくのではないでしょうか。
小田急エージェンシーによって企画・実行された今回の実験は広告の可能性を広げてくれるものでした。
クラウド型デジタルサイネージを活用することで、より消費者を惹きつけるコンテンツが生まれる可能性があります。
クラウド型デジタルサイネージに関心を持つ方は今後の実験結果を注視しつつ、どのような活用方法があるか検討することをおすすめします。
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